column
コンシエルジュの閑話休題

【 第3話 | 2014.7.1 】

『スケートに乗る』のは何のため?

前回『スケートに乗る』ための話をしたけれど、そもそも『スケートに乗る』ってどういうことなのか。

なかなか言葉にするのは難しいけれど、自分なりに文章にしてみると、

『ウィールが地面に垂直でも斜め傾いていても、狙ったウィールに対して真上の方向から的確に荷重(体重を掛ける、重心を乗せる)あるいは加重(筋力を使って力を加える)を行い、効率良く推進力を得たり、ウィールの動きを自分のコントロール下に置いている状態のこと』

といったところか。これをざっくり簡単に言ってしまうと、

『ウィールの真上から荷重or加重できるように滑っているかどうか』

といった感じになる。

では、何のために真上に乗って滑る必要があるのか? それが基本だから、と言ってしまえば終わりだけれど、果たしていつもその基本の状態で滑っているのか? そもそもいつもそんなに真上に乗って滑っているのか?

答えを言ってしまうと、スライド技の一部やアグレッシブのグラインド技などを除けば、真上に乗るべき状態の方が多いはず。ウィールが地面と垂直になっている時間は滑走時間の何分の一とか何十分の一、あるいは何百分の一になってしまうけれど、スケートに乗れている人は、実はインエッジやアウトエッジで滑っている時も、ウィールの真上の方向から荷重や加重してたりするんです。

街中やリンク内を普通に滑ったり基礎スケーティングの練習など基本的な滑りをする時は、できるだけ真上からの荷重&加重を心掛けるはず。アグレッシブでも、真上に乗れていないとエア(ジャンプ)をする時にしっかり蹴ったり踏んだりできないし、ミニランでのカービングなども難しくなる。スラローム技ではウィールをねじったりこじるような動作もあって、必ずしも真上からの荷重や加重ができているとは限らないけれど、それでも飛燕やCrazyなどでスムーズにできている人とそうでない人の差は、ここで言うところの乗れているかどうか差と言っても過言ではない。

少し解説すると、ウィールをアウトエッジ側に倒す時、足首だけ曲げて倒していると、ウィールの側面に力が加わったりして、ウィールの転がりが悪くなる。きちんと膝から曲げるなどして、できるだけ真上荷重をするようにしてウィールを転がりやすくしてあげると、抵抗なくスーッと進んでくれるようになる。そもそも足首だけでエッジコントロールするのは足首やブーツに大きな負担が掛かるので、やめた方が良いです。仮にブーツは買い換えることができても、足首は壊れても買い換えることはできないので……。

それならと、真上に乗ることを意識して滑ろうとすると、慣れていないとこれが意外にぐらぐらして難しかったりする。そこをがんばって練習して、ぐらつかないようになると、あら不思議、ただ普通に滑った時の一漕ぎがグーンと伸びて、スケーティング自体が楽になってきます!ただ、1日の練習でいきなりできるようなものではないので、スケートを履く度に10分とか20分とか真上に乗ることを心掛けて、気長に続けてみてください。きっとそのうち乗れるようになっているはずです。

さらに、フレームやウィールの真上から荷重できるようになると、インエッジやアウトエッジに倒した時も、真上と同じように荷重ができているか、あるいはできていないかがわかるようになります。もちろん真上と同じようにできることが正しいので、そうなるように練習していきます。ちなみに僕はこの練習方法として、8種類の8の字『ハッシュ』を行っています。そしてこれができるようになると、インとアウトのどちらに倒しても的確なコントロールができるようになっているので、滑りが格段に安定するだけでなく、スピードが上がって速くなったり、技の習得が早くなったりと、いいことづくめ!

そのような訳で、真上に乗ることが大切なんです。

練習をしたら、乗れてきたかどうか知りたくなるはず。そこで乗れるようになったかを知る基準のひとつとして、ダッシュができるか、がある。

ダッシュと言っても突き詰めればいろいろあるけれど、とりあえずインラインブーツを履いてしっかりダッシュができて、その速度をキープしたまま大きなストライドで滑ることができたら、スケートに乗れていると思ってほぼ間違いない。一方、うまくダッシュができなかったり、小さいストライドしかできないとか小刻みにしか地面を蹴れない場合は、まだきちんと乗れていないだろう。

ただし、自分の足とブーツが合わないために『スケートに乗る』ことが難しくなっていることもあるので、なかなかうまく乗れない場合は、信用できるベテランさんや信用できるショップで見てもらってください。

《高田健一》

ライター