column
コンシエルジュの閑話休題

【 第6話 | 2014.7.18 】

Sebaは『1足目』を履きつぶしてから《2》

第5話からの、Sebaに乗り替えるその前に、の続きを。

フィットネスブーツのサポート力は、確かに弱い。ブーツに負荷を掛ける滑りをすると壊れたりすることもある。しかしそれはSebaのブーツと比べての話。もしスラロームの基本技を練習していてブーツの剛性が足りないと思ったら、それはブーツの乗り方が悪いのではないだろうか?

しっかりウィールの真上に乗ることができていれば、普通に滑ったりスラロームの基本技を練習している分には、それほどブーツに負荷が掛かることはない。それが例えば、クロスの時に足首だけ横に倒すような滑りをしていたら、カフに負担が掛かってくるし、足も痛くなってくるはずで、当然ブーツにも足にも良くない。さらには基礎で重要なワンフット(片足)で滑ることがかなり難しくなる。変なクセがつく前に、しっかりブーツの真上に乗るように修正した方がいいだろう。

ただし、ガニ股の人はアウトエッジ側にブーツが倒れやすく、また女の子に見られることが多いのだけれど、筋力が足りないために内股になってインエッジ側に倒れやすいこともある。その場合はカフが高いSeba FRや、カフをカント調整したSeba Highなどの乗り替えたりして、ブーツにフォローしてもらうと格段に滑りやすくなるので、その見極めは大切。クセか骨格や筋力のためなのか自分で判断できない場合は、信頼できる専門店などに相談を。

さて、時々見かけるのだけれど、Seba Highなどのバックルと靴ひもをギチギチに締めて、ブーツの剛性に頼り切った滑りをしている人がいる。カフがなければ普通に滑ることすらできないのでは?と思うくらいカフに寄り掛かった滑りをしている。

もう、もったいないです。技は少しずつ習得できているかもしれないけれど、スケーティング技術はほとんど上達していなく、応用を利かせるのも難しいはず。せっかくインラインスケートを楽しんでいるなら、全ジャンルの土台となるスケーティングもきれいになって欲しいのだけれど、いやぁ、これは本当にもったいない。

そうならないためにも、まずフィットネスブーツでカフに頼らずに滑れるようになって、スラロームの基本技7つ(フロントパラレル、フロントクロス、フロントワンフット、バックパラレル、バッククロス、バックスネーク、バックワンフット)を覚えてから、Sebaに乗り換えても全然遅くない。それどころか、クセのある滑り方にならずに済んで、結局は近道になることだってあり得る。

そのような理由で、Sebaは『1足目』を履きつぶしてから、でもいいのでは?と思う次第。

最近のフィットネスブーツは履き心地の向上や軽量化のために耐久性が低くなっていると聞く。それなら、ぐりぐりとスラロームやスライドを練習して、ブーツが『もう無理!』と悲鳴を上げるまで使い倒してから、Sebaなどのスラローム用ブーツに乗り換えても遅くないと思うのだ。

ところが7月になると、ショップの在庫がなくなってきて、サイズ切れしているブーツがボチボチ出てくる頃。もちろんSebaだって例外ではない。欲しかったブーツが買えなくなるのは悲しすぎるので、とりあえず先にお目当てのブーツを買ってしまうのもアリでしょう。

でも、新しいブーツを買っても眺めるだけで、履かずにガマンするなんて、いやぁ、そんな拷問のようなことは僕には耐えられないですね。わっはっは。

《高田健一》

ライター