column
コンシエルジュの閑話休題

【 第9話 | 2014.8.14 】

スラローム用フレーム選び 長さ編

スラローム用フレームの話ですが、結論から言うと、何を付けようと『好み』のひとこと!

本人が滑りやすければ、それがその人にとってのベストのはず。

それを踏まえて、まずは僕の話を。

スラローム用として、Seba High、High Carbon、High Light、KSJ、FRの各EU39(25.5〜26.0cm)くらいのブーツをずっと履き継いできていて、付けるフレーム長は231mmがほとんど。

訳あって237mmや243mmを付けることはあっても、スラロームをする上での扱いやすさ、取り回しやすさは断然231mm。安定性を取るなら243mmなのだが、ロッカリングした243mmなら、今はフルフラットの231mmの方が自分の好みに合う。安定感抜群で、しっかり前後の荷重ができれば曲がってくれる。ちなみに243mmフルフラットは曲がらな過ぎて、フリーライド用としても自分には無理だった(苦笑

そのような訳でスラローム用としては、ロッカリングした231mmが気に入っていて、もちろん今履いているHigh Lightに3カ月くらい前に付け替えたPowerslideのAlpha Magも 231mm。ところがこのフレーム、どうあがいても、自分的にベストだった縦の真ん中より5mmくらい後ろに付けざるを得なかったのだが、これが絶妙に心地良い操作感を生むこととなった!

心地良い理由は2つ。

1つは、前が引っ込んでいる分、前から1輪目と2輪目が完全に足裏前部(土踏まずより前の部分)のコントロール下に置かれたこと。特に、1輪目が足の指の付け根部分の操作の守備範囲に入ったのは大きく、スラローム中は前乗りになることが多い自分にとって、足裏前部でしっかり1輪目と2輪目が操作できる感覚が、自分のインライン史上最高にしっくりきている。

もう1つは、ブーツの後方にフレームが5mm程度出っ張っている、それはつまり243mmと同じ出っ張り具合となること。まったりクルージングで楽をしたい時やガチでスピードスラロームをする時など、243mmを付けているのと同じように思いっきりかかと荷重ができるのは大きい。

もちろんデメリットとして、前が短いとバック系の安定感に欠けたり、後ろが長いとピンポイントで4輪目に乗りづらくなるが、今の自分にはどちらも重要ではないので、まったく問題なし。

フレームをど真ん中設定から左右に動かすのは自分に合わないけれど、後ろに動かすのがこんなにメリットがあるんだと、今さらながらに気づいた次第。同じ長さのフレームでもセッティング次第で、さらに操作感を向上させることが可能になることに気付かされた。

さて、話は変わってSebaのブーツとフレームの関係の話を少々。

FRなど、一部のブーツにはどのサイズにも243mmフレームしか付いていないものがある。その理由は、フリーライド用として販売されているため、安定性の良い243mmを付けているだけのはず。また、購入時に243mmが付いているサイズのブーツに231mmに換装するのはどうなのか? それらのブーツをスラローム用などとして使うために操作感向上になるのなら、231mmに付け替えるのはOKだと思う。

また、その逆で、購入時に231mmが付いていたのに、243mmに付け替えてスラロームをしている人もいる。訳を聞くと、大きな動きのスラロームが好きだから長めのフレームに交換したとのこと。自分のスタイルを追求するために長くする、いいと思います!

スラロームを始めたばかりの頃はフレームは1セットしかないので、当然長さによる使用感の違いは分かるはずもない。そこで、中古でもいいので、長さの異なるフレームを入手して試して欲しい。もしその時点ではピンと来なくても、滑りのスタイルの方向性が決まった時に、どの長さのフレームを選ぶのが自分のスタイルにマッチするのか、自分が異なる長さのフレームを試した経験から、より適した選択をすることができるはず。

インラインスケートはギアスポーツ。こうやって自分のスタイルに合ったギアを選ぶことも、インラインスケートの楽しさのひとつです!

《高田健一》

ライター