column
コンシエルジュの閑話休題

【 第25話 | 2014.12.4 】

冬は地味練で基礎固め

最近めっきり冷え込んできて、早くも冬将軍の足音が聞こえてきそうな感じに。

管理人は冬生まれなのに、寒いのが大の苦手。一方、真夏の炎天下の中、汗をだらだら流しながら滑るのは大好き! なので、冬はジレンマの季節なんです。滑りたいけど、暖かい部屋から出たくない、と。(笑

そんな話はさておき、寒くて体が縮こまっている時にいきなり大きな動きはしにくいもの。そこでオススメしたいのが、冬の地味練!

寒い季節の間は、体を大きく動かすことはないけれども、体が少しずつ温まってきて、スケーティングスキルのボトムアップが図れる練習メニューを地道にやるのだ。やがて春になり、大会の季節がやってきたら、一皮も二皮も剥けた滑りができているという寸法だ。

では、どんな練習メニューが考えられるかというと、すでにできている技の完成度を上げるとか、あるいはそのベースとなる技や動きを徹底的に磨くとかで、これから初めてチャレンジする動きや転びそうなことは基本的にやらない。例えば、ハッシュの前後の‘内足半円’を練習してアウトエッジの使い方を覚える、ウォーキングでスムーズな重心移動と腰骨荷重を体に馴染ませる、片足バランス練で安定ポジションを探して覚える、などなど。

中でもウォーキングは、スケートブーツを履くけれど滑らず、歩幅分だけ進むように足を上げずに歩くだけの、『King of the 地味練!』と言っても過言ではなくらい極めて地味な練習メニューなのに、おそらく始めのうちは全身に力が入って汗をかくほど。まだまだ重心移動が不慣れなスラローマーにとって、これこそ最上の冬の地味練メニューだと思う。

ちなみに、管理人自身はたまたまだったのだが、飛燕などのトリックスラロームと言われる技を知る直前の冬、バックスネーク、バッククロス、バッククリスクロス、バックワンフットなどのバック系の基本スラローム技の苦手向きを延々と練習していた。そのおかげで、バック技は左右どちらのバックスタンスになっても苦にならず、また左右の向きの違いによるフォームのズレもあまり出ることなく、トリックスラロームの各技を練習していくことができた。この徹底的なバックの苦手側の克服が、結果的にその後のコンビネーション技の習得を早めたのではないかと思っている。

しかしその経験から、以前は『飛燕の練習を始める前に左右両面のバックワンフットを習得しておくべし!』と言ってはばからず、顰蹙(ひんしゅく)を買っていたが……。(苦笑

それはさておき、体がなかなかほぐれなくて新しい技にチャレンジする意欲が薄い寒い冬にこそ、今まで後回しにしてきた基本的な動きや技を集中的に練習して、滑りの土台をがっちり大きくしていく。城も基礎部分が小さければ、小さな天守閣しか作れない。小さい土台のピラミッドは高さも低い。スケートも同じで、基礎のスキルが少ししかないと、難易度の高い技がなかなかその上に乗っかってこない。

自分にはどんな練習メニューが良いのか分からないのなら、管理人・高田の講習会に来てもらえたら、不足している技術を補うメニューを提案できます。

さあ、冬は地味練でしっかり基礎固めして、春に青虫から蝶へと生まれ変わった華麗な滑りをお披露目してください!

《高田健一》

ライター