column
コンシエルジュの閑話休題

【 第30話 | 2015.1.15 】

インソールは熱成形モノに限る《2》

さて、具体的な製品の話へ。

今まで自分はSIDASの熱成形インソールを4種類くらい使用してきたけれど、一番のお気に入りは『カスタムレース12』というスキー・スノーボード用のもの。若干厚めなのでブーツ内に隙間がないと少々きつくなるかもしれないが、厚い分、サポートがしっかりしていて安定感があり、また路面の振動も軽減してくれているようだ。次回作る時も、この『カスタムレース12』にするつもり。

ただ、もしブーツのサイズがジャストすぎて、1mmでも薄いインソールが良い場合は、SIDAS最薄の『シティ プラス』を熱成形してもらうと良いだろう。管理人自身も最初に作ったのはこれだったが、土踏まずのアーチをしっかり支えて十分に機能してくれたし、この製品との出会いからSIDASの熱成形インソールから離れられなくなったのだ。

インソールを作る上で、製品選び以外にももうひとつ、大事なことがある。そう、『誰に作ってもらうか?』だ。もしかしたら、これは製品選びよりも慎重になった方が良いくらい、大切なこと。いくら高価なインソールを買ったとしても、作る人のさじ加減で良くも悪くもなる。悪くなることはなくても、操作感が変わってくるのは確かだ。

SIDASのバキューム成形を行うには、トレーニングを受ける必要があるから、誰に作ってもらったとしても一定の品質はキープできていると思う。しかし製作する人が、購入者が行う競技の荷重の仕方を知っているかどうかで、確実に仕上がりが違ってくる。さらに今までの成形の経験知によっても微妙に作り方が異なってきて、当然、仕上がりも変わってくる。

僕自身も今まで何人かの人に作ってもらってきたが、過去最高に良かったのはヴィクトリアの谷口さん製作のもの。谷口さん自身の専門はスキーだけれど、インラインスケートも滑るので、インラインのブーツに最適なインソールの作り方を知っている。さらには、ヴィクトリアという大型店に勤めているので、その製作数は多く、経験も豊か。そして仕上がったインソールは、他の人たちに作ってもらったものと足裏の当たり方が明らかに異なり、膝が前に入りやすくなるので、他のどれよりも滑りやすくなる。詳しくは僕が書いた以前のブログ記事『インソール@ヴィクトリア大宮店』を読んでください。インソール作りの過程から実際の使用感まで、その感動っぷりがそのまま書いてあります。(笑

しかしながら2015年1月現在、その谷口さんはヴィクトリア所沢店に勤務しているため、都内在住だと気軽に作りに行けないのが非常に残念! でも、もう他の人に作ってもらうことは考えられないので、近いうちに何かにかこつけて所沢に行き、新しく作ってもらうつもりだ。

このように熱成形インソールを使い続けているのだが、1〜2年使用するとインソール自体がヘタってきたり、足裏の肉付きが変わってきて、何となく合わなくなってくる。本当はこの時点で捨てるべきなのかもしれないが、まだまだ使えそうな古いものは、スケートの時ほどシビアさが求められない、普段履きのスニーカーに入れて使い続けている。元々は自分の足形から作ったもの、スニーカーに最初から入っているものより、ウン十倍も快適だ。そうやって、パーツが割れたり剥がれたりして、完全に捨てる諦めがつく状態になるまで使い倒している。まあ、ここまで使い倒せば、10,000円で買ったとしても安い買い物でしょう。

と、長々と書いてきたけれど、つまるところ、『きちんと作ってもらった熱成形のインソールを入れて滑ると、ものすっごく快適だし、実はそんな高い買い物じゃないよ!』というお話でした!(笑

《高田健一》

ライター