column
コンシエルジュの閑話休題

【 第31話 | 2015.1.23 】

ベアリングの王様《1》

20年前、最初にこだわって探したベアリングは『JAPAN』の刻印のあるABEC1。全然回らない中国製の1.5倍の1個300円だったけれど、回転性も耐久性も1ランク上だったので、時々スケボー屋さんに行ってはチェックしていた。

その後、オイル仕上げのドイツ製ABEC3を使用して、グリス仕上げとの滑りの差を知り、さらにその1〜2年後にBones Swissに手を出し、高級ベアリングの素晴らしさを知ってしまった。 そうなるともう、生半可なベアリングでは物足りなくなり、アンテナに引っかかった調子が良さそうなベアリングをいろいろ試していくことに……。

こんな感じで、21年間で実際に使用したベアリングの中から、ご機嫌なベスト5をランキング形式でご紹介!

【5位:Deeport Black-9 Bearing】

台湾製のABEC9で普通に調子が良いベアリング、と書いてしまえばそれまでなのだが、スムースに回るし耐久性もある。価格は8輪分で5,000円で、同価格帯で最もポピュラーな『Bones Reds』よりは気持ちよく回ってくれるので、性能の割には安いと思う。自分が自分が気持ち良く滑ることができる合格ラインはクリアしていて、買って損はないと人にオススメできるベアリング。

メーカーとしてはメンテフリーの使い捨てで使って欲しいようだが、この価格では洗浄して延命させたいところ。

【4位:JM ABEC7】

初めて僕に、同じ『良く回る』でも質の違いがあることを教えてくれたのが、この『JM』のベアリング。滑り出しからとにかくスムースで、トップスピードに乗ったらなかなか減速しなかった。そして、15年以上前に購入したのに、いまだに回る化け物だ。

この『JM』というブランドはもうないのだが、実は今の『NiNja』の前身。ところが残念なことに、NiNjaブランドのベアリングはJM時代の良さを引き継いでいるようには思えず、そのため僕はNiNjaのベアリングは十数年前に一度使った切りだ。

【3位:Bones Swiss】

最高級ベアリングの代名詞でもある『Bones Swiss』。普通に買うと8輪分で1.5万オーバーと、かなり高価だけれど全国にあるスケボーショップで購入できるし、世界的ベストセラー商品だけあって、やっぱり滑り心地も耐久性もずば抜けている。

スケボー用のベアリングは、スケボーでどんなに調子が良くても、インラインスケートではまったく使いものにならないことが往々にしてある。しかしこの『Bones Swiss』は違う。元々はスケボー用として開発されたのに、インラインスケートでも最高の乗り心地を提供してくれる。

何しろギュンギュン回ってスピードが乗るし、洗浄しても品質の低下がほとんど見られない。ただ、オイルが抜けやすく、定期的なメンテが必要なのが玉に瑕。

ちなみに、『Bones Swiss』より高価な6個玉の『Bones Super Swiss 6』を使ったこともあるが、『Bones Swiss』と性能の差が分からず、安価な中国製の『Bones REDS』は価格なりの品質。

いよいよ、トップ2の発表ですが、次回に続きます!

《高田健一》

ライター