column
コンシエルジュの閑話休題

【 第34話 | 2015.2.12 】

極上なウィール《2》

スラローム用ウィールもこだわってチョイスしているけれど、アグレッシブ用ウィール選びも、いっちょ前にこだわっている。(笑

50mm台と小さいのに、路面問わずMatterのようなスムース感とグリップ感があるのが、Eurogyのウィールだ。その性能の素晴らしさを改めて僕が書く必要がないくらい、アグレッシブスケーターの中では高品質ウィールとして名が通っている。また、日本が誇るスケーターの1人である金島総一郎のシグネチャーモデルも毎年発売されている。

もしウィール選びに迷ったら、Eurogyを入れておけば間違いない。もし自分に室内パークでしか滑らないブーツがあるのなら、このEurogyを入れることは十分に考えられる。

Eurogyの対抗馬はMomo。製造こそタイだが、日本人のスケーターが監修している国内メーカーのウィール。歴史は浅いが、国内の有名スケーターも使用している。

まず軽い。そして滑るとちょっと安っぽいウィールの感触があるけれど、Eurogy並にしっかりグリップしてくれるし、スピードも出しやすい。

日本ブランドとして応援したい気持ちも込めて、推したいアグレッシブ用ウィールだ。

アグレッシブ用として、最も気に入っているけれど、日本でなかなか買えないため、米国の通販サイトから3回も取り寄せたのが、M1の『Trinity』。

このウィール、ホッケーのインドア用ウィールに良くあるように、2種類のウレタンとコアからなる3層構造で、外側に91Aの硬いウレタン、中間に68Cの柔らかいウレタンを配置させている。しかも中間のウレタンが人間のウエストのようにへこませているため、小径でもウィールを傾けると接地面積が増えてグリップ力が増して抜けにくく、荒い路面から受ける振動やエアの着地の衝撃をかなり軽減してくれる。このウィールでアスファルトを滑ると、普通のアグレッシブ用ウィールでは滑りたくなくなる。そのくらい滑り心地が良く、すり減りにくくで耐久性も十分。まさにアグレッシブ用の極上ウィールだ。

ただ、価格がEurogyの1.5倍とかなり高め。でも、そのくらいの価値があるウィールだと思う。ところが元々生産量が少なく、発売する度にすぐに売り切れてしまっていた。しかも、残念ながら今は販売されていないようだ。

3層構造といえば、使ったことはないが、Undercoverから同じく3層構造の『Dual Density』というウィールが販売されていて、『Trinity』と同じ特性を備えているらしい。

一つ気掛かりなのが、個人的にUndercoverのウィールの品質があまり良いイメージがないということ。でも、価格も『Trinity』よりも高いくらいだから、きっと品質は大丈夫なはず。

アグレッシブに復帰したら使ってみたいが、それまで販売が継続されているかどうか……。

そのような訳で、アグレッシブのウィールはM1の『Trinity』がダントツで気に入っているのだけれど、もう買えないのなら、UCの『Dual Density』を使ってみようかな、と思っている。

《高田健一》

ライター