column
コンシエルジュの閑話休題

【 第54話 | 2015.11.11 】

『HDS』って?

『HDS』は『Heel Damping System』の略で、Seba HighやFRなど、Sebaskatesから販売されているブーツに搭載されているパーツのこと。

Sebaのブーツのかかとに付近に『HDS』のロゴがあるブーツもあるだろう。それはこのHDSが入っている証だ。

どのようなものかというと、インナーブーツやインソールのかかと部分の裏にくっついている、硬い樹脂製あるいは柔らかいゴム製などの黒い物体だ。

そのパーツをよく見てみると、1〜4の数字と、その数字を指す矢印が刻印されている。1番が最も硬く、4番が最も柔らかくなっているはずだ。Seba Highは最初に1番が入っているが、2番〜4番が同梱されている。また、4番を2枚重ねで入っているブーツや、High Light系には1番〜4番のいずれでもない安っぽい発泡スチロール製のようなものが入っている。

『Damping = 振動などの減衰』というように、元々はかかとへの衝撃を抑える目的で作られたもののようで、最も柔らかい4番を選ぶとかかとのクッションになる。しかし第53話で述べたように、足裏に接しているものが柔らかいとパワーロスが発生するので、スラロームをするのなら硬めの1番か2番を選ぶと良いだろう。

このHDSを付けないという選択肢もあるが、できれば1枚付けておいた方が良い。

その理由は、かかとが少し高い方が、膝を曲げた時に膝がまっすぐ前に出やすくなるからだ。曲げた膝が内側や外側に逃げると、それだけウィールに的確に荷重しづらくなるが、それを防ぐ役割をしてくれるのだ。

Sebaのブーツはタイトに履くので、慣れないと狭く感じたりかかとが高く上がっているように感じたりしまったりして、このHDSのパーツを外してしまう人がいる。しかし、上記の理由から、どの硬さのものでも構わないので、できれば付けておいた方が良いと思う。

ちなみに僕自身はだいたいいつも2番を使用していて、フリーライドで使うFRやアグレッシブ用のCJには4番を1枚入れている。

それだけでなく、K2やUSDなどブーツの中が真っ平らなものだと、どうしてもかかとが低く感じて滑りにくくなってしまうので、僕はSeba以外のそういったブーツにも余っている3番や4番をインソールの下に入れている。特に3番は硬くないけれど柔らかすぎることもないので、ランプに入ることが多い人のアグレッシブ用ブーツには最適だと思っている。

SebaのブーツでHDSに関して語られることはほとんどないけれど、このように僕自身はけっこう重宝して使っています。持っているけど今まで気にしたことがなかった人は、自分好みの硬さを見つけて差し替えてみてはどうでしょうか?

《高田健一》

ライター