column
コンシエルジュの閑話休題

【 第61話 | 2017.5.25 】

大径3輪ショートのすゝめ《2》

前回の3x110の話がまだまだ続きます。

さて、スラローマーの習性として、どんな場合でもとりあえずロッカリングをしたくなります。当然、それが大径3輪のショートフレームでも同じ。(笑

ということで、110mmのウィールを買う時に105mmも買って、3輪でのロッカリングを試してみることにしました。

まず最初に試した105-110-105はロッカリングがきつすぎて、真ん中のウィール1輪だけに乗る状態が発生し、そのタイミングでぐりっと足首をくじきそうなってしまうので即却下。

次に、スピードスラロームの競技会でも見かける105-110-110を試してみたら、一般的な4輪のロッカリングに近い感覚でした。

という訳で、3x110で小回りを利かせたい時は先頭のウィールだけ小さいウィールを入れる、あるいはロッカリング可能なフレームなら先頭だけ上げるセッティングが良いと思います。

そして何十回と3x110で滑ってその感覚に慣れてきた昨秋、105-110-110のロッカリング仕様で、光が丘フェスティバルのデュアルレース(スピードスラローム)のシニアクラスに出場してみました。

本当は1ヵ月以上前からしっかり練習をして、万全の体制で3x110の真価を計ってみたかったのだけれど、結局はスタートダッシュ時の歩数の確認を数本やっただけの、ほぼぶっつけ本番。

もっさりしたスタートダッシュは相変わらずだけれど、ワンフットでパイロンに入ってからしっかり漕ぐと、スピードがぐいぐい乗ってくる。さすがに自己全盛期のタイムには及ばないものの、何と予選のタイム計測では5.31秒と、今の自分が4輪のスラローム用フレームでは出せないであろう、予想を上回る好タイム! ちなみにこのタイムは同大会でのシニア1位、オープンでも予選通過できる4位に当たるもので、普通なら練習していないおっさんがいきなり出せるタイムではないでしょう。(笑

そして3x110はトーナメントの本戦でも、その威力をいかんなく発揮してくれました。スタートで出遅れても、元々スタートダッシュがもっさりとした動作だから大勢に影響なし。しかもパイロンに入ってからの加速が速いから十分に挽回可能。実力差のない相手が普通の4輪なら、ほぼほぼ勝てるという感触でした。

という訳で、多少は昔取った杵柄的なところもあるとは思うけれど、確実にこのギアのおかげで、危なげなくシニアクラスで優勝できました!

この大会では、僕以外に3輪ショートフレームの人はいなかったので、しっかりと前々からスタートダッシュの練習をしたら、もしかしたらオープンクラスに出場しても3位に入ってたかも、というくらい、3x110の威力は本当にすごかったです。

次回は3x125を使ってみた話です!

《高田健一》

ライター