column
コンシエルジュの閑話休題

【 第62話 | 2017.5.26 】

大径3輪ショートのすゝめ《3》

ところで、110mmで今まで味わったことのないスピードを体験したら、やっぱり気になるのは125mm。体験者曰く、「110mmとは次元が違う」と。

そこで昨春、125mmのウィールを調べていたら、BontとMPCがコラボしたアルミ製コアのウィールが発売される情報をキャッチ。もちろん世界記録を出すようなガチのプロスピードスケーターが使用するようなウィールで、僕なんかがファンライドのために使うのはもったいなさすぎるもの。でも、アルミコアを体験したい気持ちに加え、何よりも赤く光るメタリックレッドのコアが超クール!(笑

そしてその少し前、SEBAからはそれに似合うちょっと無骨なデザインの3x125のショートフレーム(325 Frames:1-3輪長 266mm)が発売されていました。さらにPowerslideからは、このウィールのリリースに合わせたかのように、メタリックレッドのハードシェルのブーツが2016年モデルとして販売されることも判明。

もうこれは全部買わないとダメでしょ!、ということで半年掛けてこのギア3つを揃えました!

https://www.instagram.com/p/BL91lDoBn27/

ほら、かっこいいでしょ?(笑

3x125ショートは速度も操作性も、スラローム用フレームに慣れている僕からすると、もはやスピードスケート並。

3x110よりフレームが長くなって、馴染みのない長さになり、ウィールの接地面が広くなったりと、スラローム用フレームからすると、かなり操作性が犠牲になっていて曲がりにくい。しかしその分、最高スピードが速く、安定感もある。

硬さやグリップ感が好みのウィールを使ったら、少し操作感が変わって、多少は扱いやすくなるのかもしれないけれど、フレーム長は如いかんともしがたい。とはいえ、スピードスケート用のフレームよりは短いので、それよりは確実に取り回しやすく、街乗り向き。

また、車高が高くなるので、しっかりアウトエッジから入ってインエッジで蹴るストライドをしようとすると、3x110よりもさらに足首などへの負荷が掛かるけれど、しっかり蹴り込めると、ぐいっぐいっと110mmよりも一段上の加速をしてくれる。もちろんうぃーるが大きいので適当に蹴ってもそれなりに加速していきます。でもせかっく125mmに乗るのなら、ひと蹴りでのとびきりの加速を味わって欲しいと思う。

ただ、ブーツの剛性やフィット感が3x110よりも操作性に大きく関わってくるように思えます。ブーツに関しては、作りが柔らかいと蹴った時の力の伝達ロスが大きくなるので、できればソールが頑丈でインナーとシェル一体型がベスト。さらにスピードスケートブーツに慣れていない場合は、カフなどで足首の左右にそれなりのサポートがあるブーツが良いでしょう。

何はともあれ、3x125は直進性や安定感がばっちりあるので、今まで体感したことのない高速でも、スピードに負けて足元がブレることはありません。

また、多少の小石や小枝、ギャップ、タイル張りのような溝がある路面もものともしない走破性も、街中の路上で滑る人には魅力的な要素になるはずです。

何だかんだ言って、フルフラットで滑るのが苦にならない人にとって、3x125は長距離を滑るのにはなかなかいい相棒になってくれるに違いないでしょう。

3x110と3x125を滑り比べてみて、ウィール直径が15mmも差があるけれど、ここまで大きくなったらスピードや操作性は五十歩百歩かと思っていました。ところが、使ってみるとかなり違う印象を受けました。

僕個人の感想としては、フレーム長と車高、そして操作性や回転性のバランスを考えると、街中をクルージングするのなら3x110がベスト。川沿いなどの直線が続く長距離を滑ることが多かったり、スピードが欲しい人、脚力に自信がある人は3x125も十分に選択肢に入ってくると思います。

ここまでいろいろ書いてきましたが、フィットネスやスラロームの4輪フレームしか乗ったことがない人は、3x110と3x125のどちらでも良いので、とりあえず今すぐ試して、この今までに体験したことがない気持ち良いスピード感を味わってみてください!!

《高田健一》

ライター